私はこれまで、人類の目的について
・人類の目的を探す意義
・目的とはどのようなものか
・そもそも目的はあるのかないのか
等について考察してきた。
一連の考察の中で、人類には「客観的目的」または「外在的目的」があると仮定した。
本記事では、これまでの内容を踏まえた上で、現時点でのスタンスや見解を整理する。
客観的目的と外在的目的の特徴と問題点
1. 客観的目的の特徴
(1) 客観的目的とは何か?
客観的目的とは、人類の意識や意図とは無関係に、外部の視点から見出される目的のことを指す。
これには以下のようなものがある。
1. 生存と適応(進化論的視点)
• 人類は進化を続け、環境に適応することで存続してきた。
• 目的は「生存そのもの」とも考えられるが、**なぜ生存し続けなければならないのか?**という問いには答えられない。
2. エネルギーと情報の最適化(物理・宇宙論的視点)
• 知性の進化は、エネルギーをより効率的に利用し、情報を蓄積・統合する方向に向かっている。
• しかし、最終的に**「なぜエネルギーを最適化するのか?」「情報を統合することで何を目指すのか?」** という問いが残る。
3. 文明の拡張(社会・技術発展の視点)
• 文明は発展し、拡張を続けている。
• だが、「なぜ拡張し続けるのか?」という問いに対する明確な答えがない。
(2) 客観的目的の問題点
「客観的目的のみでは、明確なゴールを設定できない。」
• 生存・進化・拡張はすべて「プロセス」に過ぎない。
• 「なぜそれを続けるのか?」という問いに対する答えがない以上、「最終的な目的」とは言い難い。
• 客観的目的だけでは、「人類の存在理由」を確定することができない。
2. 外在的目的の特徴
(1) 外在的目的とは何か?
外在的目的とは、人類の意志や行動とは無関係に、外部の存在によって設定された目的のことを指す。
この視点では、人類の目的は、人間自身ではなく、何らかの超越的な存在によって決定されている可能性を考える。
1. 神や超越的存在による目的(創造論的視点)
• もし神が人類を創造したならば、その意志に基づいた明確な目的があるはず。
• しかし、神の存在を証明する手段がない。
2. シミュレーション仮説による目的(人工的世界観)
• 宇宙が高度な知的存在によって設計されたシミュレーションであるならば、その設計者の意図が目的となる。
• しかし、シミュレーションの証拠を見つけることが極めて困難。
3. 未知の知的存在による目的(宇宙的知性の介在)
• 人類よりも高度な知的存在が、宇宙の進化を管理している可能性。
• しかし、その存在を認識する手段が限られている。
(2) 外在的目的の問題点
・証明をすることが極めて難しい。
・人類がそのような存在を感知できるかは不明
しかし・・・「外在的目的の探求は、それ自体が目的になり得る。」
• 設計者がいるかどうかは証明が困難。
• しかし、もし設計者が存在するなら、それを見つけること自体がゴールになり得る。
• したがって、「外在的目的を探求すること」は、それ自体が十分に目的として成立する。
現時点での私の見解
以上のことを踏まえて、私は
外在的目的があると仮定して、それを探求するのが最も合理的である。
と考える。
客観的目的と外在的目的の関係
(1) 外在的目的を探求することは、客観的目的を達成することを内包する
• 外在的目的を見つけるためには、科学技術の発展・文明の拡張・知的成長が不可欠。
• これらはまさに「客観的目的」の内容そのものである。
• つまり、「外在的目的の探求」は、「客観的目的の達成」を内包する。
(2) 客観的目的と外在的目的は相互に補完し合う
✅結論:「外在的目的の探求」=「客観的目的の探求」
• 外在的目的を探求するためには、人類の発展・文明の拡張が不可欠。
• 逆に、客観的目的(人類の発展・文明の拡張)は、「なぜそれをするのか?」という理由を持たない可能性が高い。
• しかし、「外在的目的を探すために発展・拡張する」と考えれば、客観的目的に明確な意味が生まれる。
• よって、「外在的目的の探求」と「客観的目的の探求」は、実質的に同義である。
5. 現時点での結論
(1) 人類の目的に対する現時点での見解
最終結論:
• 客観的目的のみでは、人類の最終的なゴールを設定できない。
• 外在的目的が存在するかどうかは不明だが、それを探求すること自体が目的になり得る。
• 外在的目的を探求するには、科学技術の発展・文明の拡張・知的成長が不可欠。
• これらは客観的目的そのものであるため、「外在的目的の探求」と「客観的目的の探求」は本質的に同義である。
(2) 今後の課題
• 外在的目的の探求をどのように進めるべきか?
• どのアプローチが最も合理的か?
• 外在的目的の探求が失敗した場合、人類はどうすべきか?
ここまでの議論を踏まえ、次に進めるべき議論は、「外在的目的の探求をどのように進めるべきか?」 だと考える。
具体的な探求方法やアプローチについて、次の段階で検討していく。
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